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言葉の意味読みもの・約6分

傾聴とは。カウンセリングとの違い

傾聴という言葉は、聞き方の技術としても、姿勢としても使われます。カウンセリングとの違いは、何を目的にしているかにあります。

傾聴という言葉の意味

傾聴という言葉は、聞き方の技術としても、姿勢としても使われます。字のとおり、耳を傾けて聞くことです。ただ、ふだんの「聞く」とは、やっていることが少し違います。

ふだんの会話では、相手が話しているあいだ、こちらは返す言葉を考えています。次に何を言うかを準備しながら聞いている。それが普通です。傾聴では、その準備をやめます。返す言葉を用意しないまま、最後まで聞きます。

だから、傾聴を受けている側は「話が戻ってこない」と感じます。自分が出した言葉が、相手の解釈をくぐらずにそのまま置かれる。この感じ方が、傾聴とふだんの会話の差です。

もともとは、相談の場面で使われてきた言い方です。いまは、勤め先の研修でも、地域の活動でも使われます。言葉が広がったぶん、指しているものの幅も広がりました。案内に「傾聴」と書いてあっても、どこまでやるのかは書き手によって違います。言葉だけで判断せず、何をして何をしないのかが書かれているかを見てください。

返す言葉を用意しないまま最後まで聞く。それが、ふだんの会話との差です。

カウンセリングとの違い

傾聴とカウンセリングは、並べて語られることが多い言葉です。重なる部分もありますが、目的が違います。

傾聴

聞くことそのものが目的です。話し終わったところで終わります。何かを変えることを狙っていないので、変わらなくても失敗になりません。

カウンセリング

話を聞くことは手段のひとつで、その先に目的があります。資格を持った人が行う場合もあれば、そうでない場合もあります。

この違いは、選ぶときに効きます。何かを変えたくて話す人が、聞くだけの窓口を選ぶと物足りません。逆に、変えたくないことを話したい人が、目的のある窓口を選ぶと落ち着きません。言葉の範囲については電話カウンセリングとはで分けています。

どちらが上ということはありません。同じ人が、時期によって両方を使うこともあります。しんどい時期に聞いてもらい、落ち着いてから先へ進む窓口へ行く。その順番でも構いませんし、逆でも構いません。どちらか一つに決めなければならないものではありません。

聞くことを目的にする、ということ

聞くだけ、と書くと簡単そうに見えます。実際にやってみると、かなり難しいことが分かります。難しさの正体は、何もしないでいることの居心地の悪さです。

相手が黙ったとき、こちらは埋めたくなります。つらそうな話が続くと、早く楽にしてあげたくなります。似た経験があると、それを言いたくなります。この三つを全部こらえて、最後まで相手の話にしておく。ここが傾聴の中身です。

話す側から見ると、何が変わるのか。ひとつは、順番を整えなくてよくなることです。まとめなくていい、結論を出さなくていいと分かると、出てくる言葉が変わります。もうひとつは、自分の言葉を自分で聞けることです。人に向けて口に出すと、頭の中にあったときとは違う形で見えてきます。何に困っているのかが、話しているあいだに自分で分かることがあります。分からないまま終わることもあります。どちらでも構いません。

助言はいらないと先に伝える言い方は、話を聞いてほしいだけのときに書いてあります。伝えるかどうかで、同じ相手でも返ってくるものが変わります。

話し終わったときに、相手の言葉がひとつも足されていない。それが傾聴のかたちです。

身につけられるものなのか

身につけられます。ただ、覚える種類のものではなく、やめる種類のものです。新しく足すのではなく、ふだんやっていることを止める練習になります。

  1. 相手が黙っても、先に埋めない三秒待つ、と決めておくだけで変わります。埋めたくなる自分に気づくところからです。
  2. 「つまり」と言わないまとめようとした時点で、話が自分のものになります。相手の言葉を、相手のまま置いておきます。
  3. 自分の経験を出さない「私も同じで」は、相手の話を止めます。似ていると思ったときほど、こらえどころです。
  4. 助けようとしないいちばん難しいところです。何もしないでいることが、この場面での仕事になります。

家族や友人の話を聞くときにも使えます。うまくできなくても構いません。全部できる人は、そう多くありません。ひとつだけ選ぶなら、最初の「先に埋めない」からで足ります。黙っている時間を許せるようになると、残りの三つは自然に減っていきます。

お金をかけずに話を聞いてもらえる場所は無料で話を聞いてもらえる窓口の一覧にまとめました。急ぐことや、制度が要ることは、そちらのほうが正面から引き受けています。

聞くことを目的にした電話を、いま用意しています。決めたことと決めていないことは話し相手・愚痴聞きの窓口にそのまま並べてあります。まだ開いていないので、いまは読みものだけです。

命にかかわるときは、ここを読まずに

いますぐ命が危ないとき、暴力を受けているとき、体の具合が悪いときは、この読みものを読むより先に、公的な窓口や救急につないでください。当サイトは、そういう場面を引き受ける窓口ではありません。

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