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学校のスクールカウンセラーに話す

学校にいるスクールカウンセラーには、児童・生徒も保護者も相談できます。最も気になるのは「親や先生に伝わるのか」という点だと思うので、まずそこから説明します。

  • スクールカウンセラーはどこにいて、いつ話せるのか
  • 親や先生に伝わるのか
  • 保護者も相談できる
  • 話す内容は事前に決めなくてもよい

先に答えだけ

  • スクールカウンセラーは、児童・生徒と保護者が学校で無料で相談できる心理の専門家です。国の事業で学校に配置されており、令和8年度は全ての公立小中学校に週4時間ずつ配置することが基本です。
  • 学校の外の相談先には、24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)、こどもの人権110番(0120-007-110)、チャイルドライン(0120-99-7777)があります。
  • 「親や先生に伝わるのか」は、話し始める前にスクールカウンセラーに確認して構いません。伝わる範囲を確認してから、どこまで話すかを決められます。

スクールカウンセラーはどこにいて、いつ話せるのか

スクールカウンセラーは、文部科学省の事業により学校に配置されている相談相手です。事業を実施しているのは都道府県と指定都市です。公立の小学校・中学校・義務教育学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校などに配置されています。学校とは別に、自治体が設置している教育相談機関にいることもあります。

スクールカウンセラーは毎日学校にいるとは限らず、来校する日は学校ごとに異なります。そのため、まず「いつ来ますか」と聞くのが最も早い方法です。聞く相手は、担任の先生でも保健室の先生でも構いません。用件は「スクールカウンセラーに話したい」と伝えるだけで十分です。

どのような人が務めるかは、文部科学省のスクールカウンセラー等活用事業実施要領に定められています。児童生徒の心理に関して高度に専門的な知識と経験を持つ人の中から、都道府県または指定都市が選びます。報酬や交通費も、その自治体が国の補助を受けて支払います。スクールカウンセラーは学校の先生とは別の立場の人で、相談する側が費用を払う必要はありません。

学校の中にある相談窓口です。話す内容を決めてから行く必要はありません。

親や先生に伝わるのか

最も気になるのは、この点だと思います。実際には、情報の扱いに関する決まりは学校や自治体によって異なり、全国で同じとは言えません。

そのため、話し始める前に「これは親に伝わりますか」「先生に伝わりますか」と聞いてください。最初に確認しても差し支えありません。答えを聞いてから、どこまで話すかを決めれば十分です。すべてを話さなければならない場所ではありません。

国の考え方は、文部科学省の会議がまとめた児童生徒の教育相談の充実について(報告)(平成29年)に示されています。スクールカウンセラーには、守秘義務が課されることになっています。ただし、学校が子どもを支援するために必要な内容は、学校に報告することとされています。虐待が疑われるときは、市町村や児童相談所などに通告する義務があります。

学校の中の人に話したくないときは、学校の外にも相談先があります。名前を言わずに電話することもできます。

24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)

電話番号
0120-0-78310フリーダイヤル。「なやみ いおう」と読みます。
受付時間
夜間・休日を含めて、いつでもかけられます。厚生労働省の「まもろうよ こころ」では「24時間対応」と案内されています。
つながる先
電話をかけた場所の教育委員会の相談機関につながります。悩んでいる子どもや保護者などが対象です。

チャイルドライン

電話番号
0120-99-7777フリーダイヤル。通話料はかかりません。
受付時間
毎日16時〜21時。年末年始(12月29日〜1月3日)はお休みです。
対象
18歳までの子どもが対象です。チャットでも相談でき、受付は毎週月曜日〜土曜日16時〜21時、第4日曜日16時〜18時30分です。

こどもの人権110番(法務省)

電話番号
0120-007-110フリーダイヤル。
受付時間
平日8時30分〜17時15分。
その他
電話のほかに、メール・LINE・手紙でも相談できると案内されています。
チャイルドライン「電話で話す」を見る

どのような人が、どのくらい配置されているか

スクールカウンセラーには、心理の資格を持つ人などが選ばれます。文部科学省の令和8年度予算では、全ての公立小中学校に週4時間ずつ配置することが基本となっています。

来校する回数は、自治体によって異なります。たとえば大阪市では、市立中学校で週1回、市立小学校では令和6年度からおおむね2週間に1回以上、相談を受け付けています(大阪市)。

選ばれるのは、心理の国家資格を持つ人、臨床心理士、精神科医などです。児童生徒の心理に詳しい大学の教授など(過去にその職にあった人を含む)も対象です。資格だけで決めず、面接などで学校での活動実績も確認して選ぶこととされています(文部科学省)。

地域や学校の事情によっては、スクールカウンセラーに準ずる人も選ばれます。大学院を修了し、心理に関する業務か子どもの相談業務の経験が1年以上ある人などです。大学や短期大学を卒業した人の場合は、5年以上の経験が必要です(文部科学省の実施要領)。

これとは別に、国の事業では、電話やSNSで相談を受ける「相談員」も配置されます。相談員は、電話やSNSでの相談や教育相談に関する知識と経験がある人の中から、都道府県や指定都市が選びます。ただし、相談業務を外部に委託する場合は除きます(文部科学省の実施要領)。

いじめや不登校、虐待、貧困への対応のため、配置時間を増やす学校も11,300校見込まれています。公立高校への配置は、配置校数の1割までが目安です。

令和6年度には、スクールカウンセラーとそれに準ずる人の合計11,158人が、30,151の学校などを担当しました。国の事業としては、平成7年度に始まりました(文部科学省)。

この国の事業の対象は公立学校です。私立学校に相談の担当者がいるかどうかは、学校に問い合わせて確認してください。

スクールカウンセラーの仕事と、相談できること

スクールカウンセラーの主な仕事は、子どもの相談を受けること、状況を見立てること、先生や保護者に助言することの三つです。このほか、問題を未然に防ぐ取り組みも担当します(文部科学省)。先生とは異なる視点で子どもを見ることができる、心理の専門家です(文部科学省の会議の報告)。

学級の様子を知るために、授業を参観したり、休み時間や給食の時間を子どもと一緒に過ごしたりすることもあります(同じ報告)。国の事業では、先生向けの校内研修も行います。大きな災害が起きたときには、被災した子どもの心のケアのために、学校に緊急配置されることもあります。熊本地震や能登半島地震の際にも行われました(文部科学省)。

令和6年度に全国のスクールカウンセラーが受けた相談は、約417万件でした。平成27年度の約298万件から増えています。子どもだけでなく、保護者や先生からの相談も含みます(文部科学省)。

相談内容は多い順に、不登校(23.1%)、心や体の健康(17.6%)、発達障害など(11.5%)でした。「その他」(16.4%)を除くと、これに友だちや先生との関係、家庭のこと、勉強や進路が続きました。

保護者も相談できる

スクールカウンセラーは、子どものことで悩みや不安を抱える保護者とも面談します。面談では、子どもの理解の仕方や接し方について保護者に助言します(文部科学省の会議の報告)。保護者向けに、子育てや思春期の子どもとの関わり方をテーマにした講習会を開くこともあります(同じ報告)。

申し込み方法は、学校ごとに異なります。申し込みの受付は、教育相談を担当する先生(教育相談コーディネーター)の役割の一つとされています(同じ報告)。

スクールカウンセラーは、通常は家庭訪問を行いません。校長が必要と認め、保護者の了解を得た場合には行うことができる、という考え方です(同じ報告)。また、国の事業の決まりでは、公民館や図書館など、学校の外でも相談できるように工夫することとされています。

相談したあとの流れ

相談したあとは、面談、学校内での情報共有、学校としての支援方法の検討の順に進みます。文部科学省の会議の報告をもとに、三つの段階にまとめました。

  1. 面談子どもが自分から希望する場合のほか、スクールカウンセラーが日ごろの様子から気になった子どもと面談することもあります。話を通じて、子どもの考えや心の状態を把握します。
  2. 学校内で情報を共有する相談の内容に応じて、担任や養護教諭、スクールソーシャルワーカーと情報を共有することがあります。どこまで伝わるかは、話す前に確認できます。
  3. 必要に応じて、学校として支援方法を考える心理面の支援だけでは足りないと判断した場合は、校長などや校内の会議に報告し、学校としての支援方法を検討します。

スクールソーシャルワーカーとの違い

スクールカウンセラーは心理の専門家、スクールソーシャルワーカーは福祉の専門家です(文部科学省)。学校には、両方が配置されていることがあります。

スクールカウンセラー

子どもの心理に関する支援を担当します。子どもの気持ちや心の状態を把握し、本人や先生、保護者に助言します。

スクールソーシャルワーカー

子どもの福祉に関する支援を担当します。子どもや保護者が必要としていることを聞き取って支援計画を立て、学校外の関係機関との調整を行います。虐待、貧困、ヤングケアラーなどの支援に携わります。社会福祉士や精神保健福祉士などが務めます。

令和8年度予算では、スクールソーシャルワーカーを全ての中学校区に週3時間ずつ配置することが基本となっています。先生とスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーは、一つのチームとして子どもを支えます(文部科学省)。

学校の外で、子どものことを相談できる場所

上で紹介した電話窓口のほかにも、学校の外には子どものことを相談できる場所として、教育支援センターと児童相談所があります。

  • 教育支援センター教育委員会などが、学校外の施設や学校の空き教室に設けている、不登校の子どもを支援するための場です。在籍している学校と連絡を取りながら、個別の相談や集団での活動、教科の指導を行います(文部科学省)。スクールカウンセラーが配置されていることもあります。「適応指導教室」と呼ばれることもあります(文部科学省)。
  • 児童相談所子どもの福祉に関する相談を受け付ける、都道府県や指定都市などの専門機関です。相談専用ダイヤル0120-189-783は、令和3年7月から無料になっています(こども家庭庁)。

教育委員会は、電話相談窓口を紹介するカードを子どもに配布するなどの取り組みをしています。国のスクールカウンセラーの事業では、電話に加えて、SNSなどを活用した相談も行えることになっています(文部科学省)。

24時間子供SOSダイヤルは、いじめに限らず、子どものSOS全般を受け付ける窓口です。文部科学省は、つながらないことがあっても、ためらわずに何度でもかけてほしいと呼びかけています。

つらさが強く、急いで相談したいときは、学校での相談を待たずに電話窓口を利用できます。電話番号と受付時間は、悩み相談ができる無料の電話窓口の一覧にまとめています。

親や先生に伝わるかどうかは、話し始める前に聞いて構いません。

話す内容は事前に決めなくてもよい

話す内容をまとめてから行こうとすると、なかなか行けないものです。うまく言葉にできないままでも構いません。「よく分からないけどしんどい」と話すところから始められます。

相談は途中でやめても構いません。合わないと思ったら、次から行かないこともできます。一度相談したら最後まで通わなければならない、という決まりはありません。

学校に関する相談は、上で紹介した無料の窓口が本来の相談先です。当サイトが提供しているのはそれとは別の、料金のかかる話し相手ネットの電話です。対応すること・対応しないことは、話し相手サービスとはに書いています。

学校の外にも、無料の相談窓口があります。中学生・高校生・大学生が利用できる窓口は、中学生・高校生の相談相手にまとめています。お子さんのことで相談したい保護者の方向けの相談先も、同じページで紹介しています。

この情報は2026年9月時点のものです。番号と受付時間は変わることがあります。最新の情報は、文部科学省『「24時間子供SOSダイヤル」について』、チャイルドライン『電話で話す』、法務省『いじめ などの電話相談窓口【こどもの人権110番】』でご確認ください。

命にかかわるときは、ここを読まずに

いますぐ命が危ないときは、この読みものを読むより先に、公的な窓口や救急につないでください。暴力を受けているときや、体の具合が悪いときも同じです。当サイトは、そういう場面を引き受ける窓口ではありません。

よくある質問

親や先生に伝わりますか。
決まりは学校や自治体によって異なり、全国で同じとは言えません。話し始める前に「これは親に伝わりますか」「先生に伝わりますか」と聞いて確認してください。なお、子どもを支援するために必要な内容は学校で共有されることがあり、虐待が疑われるときは市町村や児童相談所などに通告する義務があります。
相談に費用はかかりますか。
かかりません。児童・生徒と保護者が無料で相談できます。
学校の外で相談したいときは、どこに相談できますか。
24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)、こどもの人権110番(0120-007-110)、チャイルドライン(0120-99-7777)があります。いずれも無料です。
何を話せばいいか分かりません。
話す内容は決めていなくても大丈夫です。「うまく言えない」と伝えるところから始めて構いません。
スクールカウンセラーにはどんなことを相談できますか。
令和6年度の相談で多かったのは、不登校、心や体の健康、発達障害など、友だちや先生との関係、家庭のこと、勉強や進路です。子どもだけでなく、保護者や先生からの相談も受けています。
保護者だけで相談できますか。
できます。スクールカウンセラーは、子どものことで悩みや不安を抱える保護者とも面談し、子どもの理解や接し方について助言します。申し込み方法は学校ごとに異なるため、担任の先生などに聞いてください。
スクールカウンセラーはどんな資格の人ですか。
心理の国家資格を持つ人、臨床心理士、精神科医、児童生徒の心理に詳しい大学の教授などの中から、都道府県や指定都市が選びます。資格だけで決めず、学校での活動実績も確認して選ぶこととされています。
スクールソーシャルワーカーとは何が違いますか。
スクールカウンセラーは心理の専門家で、子どもの気持ちや心の状態に向き合います。スクールソーシャルワーカーは福祉の専門家です。家庭の状況などに合わせて支援計画を立て、学校外の関係機関との調整を行います。
スクールカウンセラーは何をしてくれますか。
子どもの相談を受け、状況を見立て、先生や保護者に助言します。問題を未然に防ぐ取り組みも担当します(文部科学省)。必要に応じて担任などと情報を共有し、学校としての支援方法を検討します。
スクールカウンセラーと相談員は何が違いますか。
国の実施要領では、スクールカウンセラーは心理の国家資格を持つ人や臨床心理士などから選ばれ、学校などに配置されます。同じ要領でいう「相談員」は、電話やSNSで相談を受ける人です。どちらも都道府県や指定都市が選びますが、相談業務を外部に委託する場合は除きます(文部科学省の実施要領)。学校内にいる「相談員」は、市町村の教育委員会が配置していることもあります(江別市の例)。
小学校や高校にもスクールカウンセラーはいますか。
国の事業では、公立の小学校にも高校にも配置されます。令和8年度予算では、全ての公立小中学校に週4時間ずつ配置することが基本です(文部科学省)。高校への配置は、配置校数の1割までが目安です(文部科学省の実施要領)。来校する日は学校ごとに異なるため、担任や保健室の先生に聞いてください。

このページで確かめた公的な資料

監修井上恵(話し相手ネット 運営責任者)

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