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働く人へ読みもの・約11分 /

愚痴聞きの始め方と開業の手続き

愚痴聞きサービスの始め方は二つあります。自分で開業するか、話し相手ネットのような事業所に所属するか。同じ愚痴聞きを始めるにしても、始めるまでにかかる手間や主な業務はまったく異なります。手続きの話から順に書きます。

  • 始め方は二つ。開業か、所属か
  • 許認可も資格も要りません
  • 手続きが出るのは、お金が動いてから
  • 働く側からお金を取る募集は避ける
二つの扉の前で、スマホを持って立っている女性のイラスト

先に答えだけ

  • 始め方は二つ。自分で開業するか、事業所に所属するかです。許認可も資格も要りません。
  • 自分で開業する場合、ココナラの同カテゴリに74,703件の出品が並んでいます(2026年9月時点)。傾聴そのものより、集客が最大の難所になります。
  • 副業なら、給与以外の所得が年20万円を超えると所得税の申告が要ります。詳細は税務署や市区町村で確かめてください。継続して事業として行う場合は、開業届を出します。期限は、事業を始めた年の分の確定申告の期限までです(国税庁、2026年4月1日現在)。

始め方は二通り。仕事はまったく違う

愚痴聞きや話し相手サービスを仕事にしたい場合、方法は二つです。自分で開業するか、事業者に所属する副業スタンスか。同じサービスでも、始めるまでにかかる手間も業務もまったく異なります。呼び名は「愚痴聞き」「話し相手」「傾聴スタッフ」「電話相談」とばらばらですが、サービスの内容は同じです。

事業者に所属する

愚痴聞きスタッフの求人に応募して、採用されたら始められます(研修を経てから始める事業者もあります)。集客や仕組み作りも必要なく、副業として最適な働き方です。開業の手続きも要りません。

自分で開業する

ココナラのような場に出品し、ご自身でお客さまを獲得します。ただし「出せること」と「売れること」は別です。同じカテゴリ(話し相手・愚痴聞き)に74,703件の出品が並んでいて(2026年9月時点)、その中から選ばれる必要があります。

どちらか一方でなくてかまいません。所属しながら出品している人もいます。迷っているなら、先に出品して反応を見る方が、失うものが少ない。初期費用がかからず、合わなければやめられます。

出せることと、選ばれることは別です。

自分で開業する場合にやること

  1. 集客に必要なセットアップ

    自分で開業する場合は、自分でお客さまを集めなければなりません。ウェブサイトを作る、あるいはココナラなどのプラットフォームを利用するなど、まずはお客さまを集めるためのセットアップを行う必要があります。

  2. 何が得意かを決める

    ここがいちばん効きます。「なんでも聞きます」は選ばれにくい。誰かの悪口や不平不満など「愚痴聞きが得意」「無言の時間を受け止めます」「○○が趣味なので深い話できます」のように絞った方が、選ぶ側は決めやすくなります。

  3. 値段を決める

    同カテゴリは1分100円から500円の幅で並んでいます。下限に合わせると選ばれやすくなりますが、手数料が引かれたあとに残る額は小さくなります。

  4. 受けられる時間を決める

    依頼は夜に偏ります。この業界の各社が公開している受付時間が深夜まで伸びているのは、そこに人が来るからです。日中しか動けない場合、依頼はその分だけ少なくなります。

  5. 周囲の音が入らない環境を用意する

    家族の声や生活の音が入ると、お客さまはそれを気にして話を止めます。個室が理想ですが、そうでなくても静かな環境は必要です。

手元にいくら残るかは、ココナラの愚痴聞きで稼げるのかに実額で並べています。

お客さまを集める三つの方法

自分で開業する場合、お客さまを集める方法は、ココナラなどへの出品、自分のサイト、SNSの三つです。方法によって、手元に残るお金と、お客さまが集まるまでの時間が違います。

  • ココナラなどに出品する出品に初期費用や月会費はかかりません。電話相談の出品には、本人確認と電話番号の登録が要ります。電話を受けられる「待機」は、最大6時間まで設定できます(ココナラ公式の電話相談ガイド)。
  • 自分のサイトを作るお客さまが払った料金は、決済の手数料を除いて自分に入ります。そのかわり、サイトを作ってすぐに検索の上位に入ることは、まずありません(心理カウンセラーの種)。
  • SNSで知ってもらう費用はかかりません。ただ、信用を得るまでに毎日の発信が要ります(同じ記事)。

三つとは別に、事業者に所属する道もあります。報酬の割合は事業者ごとに違います。

開業にかかるお金

開業にかかるお金は、主に仕事用の電話の月々の料金、お客さまを集める場所の費用、カード払いの手数料の三つです。

  • 仕事用の電話ふだんの電話とは分けて、仕事用のスマホと通話料定額プランを用意します。自分のサイトに載せる番号に、ふだんの電話は使わない方がいいとされています(心理カウンセラーの種)。通話料定額プランは、契約先や時期によって変わりますが、月額1,600〜1,800円程度が目安です。
  • お客さまを集める場所自分のサイトは、自分で作れば年に5,000〜13,000円ほどです。業者に頼むと、10〜15ページで30万〜40万円近くかかるという目安があります(同じ記事)。
  • 代金を受け取る手数料カードで払ってもらう場合は、決済のたびに手数料がかかります。額は次の節「料金と、代金の受け取り方を決める」に書きました。

料金と、代金の受け取り方を決める

電話の話し相手の事業者の料金は、10分300〜400円が中心です。相場の見方は話し相手・愚痴聞きの料金と相場に書きました。自分のサイトで受ける場合は、料金も払い方も自分で決めます。

払い方には、先に払ってもらう前払いと、通話のあとに払ってもらう後払いがあります。癒しの時間とハナシタラ.COMは後払いで、通話のあと3営業日以内に振り込んでもらいます。ハナシタラ.COMは、通話が終わると時間と金額をショートメールで知らせ、銀行振込かカード決済を選べます。前払いのプランも用意しています。

後払いには、払ってもらえないことがあるという弱みがあります(心理カウンセラーの種)。癒しの時間は、2回目の利用を、初回の入金を確かめてから受けています。この決まりにしておくと、未払いが重なりません。

カードで受けるには、カードの支払いを取り次ぐ会社(決済代行)と契約します。手数料は会社ごとに違い、Stripeの日本の標準料金は、カード決済1回あたり3.6%です(2026年9月23日に確認)。

始めるのは一日で済みます。続くかどうかは、そのあとで決まります。

開業の手続きは、どこから必要になるか

「開業」と聞くと身構えますが、電話で話を聴く仕事に許認可は要りません。資格も要りません。始めるだけなら手続きはゼロです。

手続きが出てくるのは、お金が動いてからです。二つだけ知っておけば足ります。

  1. 確定申告

    会社勤めをしながらの副業なら、給与以外の所得が年20万円を超えると所得税の申告が要るとされています。売上ではなく、経費を引いたあとの所得で見ます。通信費や機材は経費にできます。所得税の申告が要らない場合でも、住民税の申告は別に必要になることがあります。金額の基準も扱いも年によって変わるので、国税庁の「No.1900給与所得者で確定申告が必要な人」か、お住まいの地域の税務署と市区町村で必ず確かめてください。

  2. 開業届

    継続して事業として行うなら、税務署に開業届を出します。出すのは無料で、書類1枚です。青色申告を選ぶ場合は別の届出も要ります。金額や条件はその年で変わるので、国税庁の「No.2090新たに事業を始めたときの届出など」か税務署で確かめてください。

勤め先の就業規則も先に見てください。副業を禁止している会社、届出制にしている会社があります。始めてから知ると面倒なことになります。

厚生労働省は2018年1月に、就業規則の見本である「モデル就業規則」を改めました。「許可なくほかの会社等の業務に従事しないこと」という決まりを削り、副業・兼業の規定を新しく置いています。会社の就業規則が、この見本どおりとは限りません。

開業届と青色申告の出し方

事業として続けるなら、開業届を税務署へ出します。期限は、事業を始めた年の分の確定申告の期限までです(国税庁、2026年4月1日現在)。出す先は納税地を受け持つ税務署で、納税地はふつうは住所地です。正式な名前は「個人事業の開業・廃業等届出書」です。

国税庁のオンラインの申告(e-Tax)で出せるほか、紙に書いて持って行くか、郵送もできます(国税庁)。確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。

青色申告とは、決まった水準の帳簿を付けて申告する人が、所得の計算で有利な扱いを受けられる制度です(国税庁)。使えるのは、事業所得・不動産所得・山林所得がある人です。副業の所得は雑所得の例にも挙がっていて(国税庁)、雑所得にあたる場合は使えません。どちらにあたるか迷ったら、税務署で確かめてください。

差し引ける額は、くわしい帳簿(一般には複式簿記)を付けると最高55万円です。さらにe-Taxで申告するなどの条件を満たすと65万円、くわしい帳簿でない場合は最高10万円です。

青色申告は、選ぶ人だけの手続きです。青色申告にするには、別に「所得税の青色申告承認申請書」を出します。期限は原則として、青色申告にしたい年の3月15日までです。1月16日以後に開業した場合は、開業の日から2か月以内です。

自分のサイトで売るときに載せる表示

自分のサイトで電話のサービスを売るときは、広告に表示する決まりがあります。表示するのは、料金や払い方、事業者の氏名・住所・電話番号などです。自分のサイトで申し込みを受けて売ると、法律でいう「通信販売」にあたるためです。許可や届出の手続きではなく、広告に載せる中身の決まりです。個人でも、利益を目的にくり返し取引をしていれば対象です(消費者庁の案内)。

電話のサービスにかかわる主な表示は、次のとおりです。

  • 料金サービスの料金と、料金のほかにお客さまが払うお金があれば、その内容と額。
  • 代金を払う時期と方法前払いか後払いか、振込かカードか。
  • サービスを提供する時期いつ電話を受けるか。
  • 申し込みの撤回や解除キャンセルについての決まり。
  • 事業者の氏名・住所・電話番号個人で開業している場合も、表示の対象です。

氏名・住所・電話番号などは、一部を省ける場合があります。お客さまの請求があれば、申し込みの前に間に合うように書面か電子メールで知らせる、と広告に書いている場合です。その用意をしていることも条件です。申し込みの期間に決まりがあるときのその内容など、省けない事項もあります(消費者庁の案内)。

この表示を載せていないと、カード払いの取り次ぎを断られることもあります。Stripeは、表示を載せていないビジネスを日本の禁止業種の一覧に入れています(2026年9月23日に確認)。

開業したあとに困りやすいこと

開業したあとに困りやすいのは、収入が日によって違うことと、困ったお客さまへの対応です。どちらも、開業すると自分で引き受けることになります。

  • 収入が日によって違う依頼の多い日もあれば、少ない日もあります。所属していても同じです。毎日必ず一定額以上稼げる保証はない、と募集ページで先に伝えている事業者もあります(癒しの時間)。
  • 困ったお客さまへの備え深夜の長電話や、個人の連絡先を聞かれるといった困った電話もあります(在宅ワークを探そう!の調査)。開業したら断る決まりを自分で作り、サイトやプロフィールに書いておきます。調査の数字と事業者の決まりの例は愚痴聞きの仕事とはに書きました。
  • 引き受けない話の行き先医療や法律の相談、命にかかわる話を打ち明けられたときは、公的な窓口を案内できるようにしておきます。案内先は悩み相談ができる無料の電話窓口の一覧にまとめています。

避けた方がいい募集の見分け方

この業界には、求人を募集しながら「働く側から」お金を取ろうとする事業者もいます。三つ覚えておけば安心です。

  • 登録料・研修費を求めるもの

    まっとうな事業者は、働く側からお金を取りません。

  • 私的な資格取得をすすめるもの

    愚痴聞き・話し相手など傾聴スタッフの求人を行い、応募者に対して有料の資格取得を勧める事業者にも注意が必要です。この仕事に資格は必要ありませんし、資格があるからと言って肝心のお客さまから選ばれることにも繋がりません。

  • 性的な会話をすすめるもの

    これはまったく別のお仕事です。傾聴サービスの求人ではありません。

報酬の見方については、時給ではなく「お客さまが払った額のうち何割が自分に渡るか」で見ます。この割合を公表している事業者はほとんどありません。応募する前に必ず確かめてください。

仕事の中身そのものは愚痴聞きの仕事とはに、話し相手ネットの募集の条件はスタッフ募集に書いています。

この読みものは、答えを出すためのものではありません

ここに書いてあるのは、選ぶときの見どころだけです。どれが正しいかを決めるものではありませんし、医療や法律の助言でもありません。

この情報は2026年9月時点のものです。ココナラの出品数は2026年9月23日に、価格の幅は2026年9月13日に、同サイトのカテゴリページで確認しました。税と届出の扱いは制度が変わります。金額の基準や手続きは、国税庁の「タックスアンサー(よくある税の質問)」か、お住まいの地域の税務署で必ずご自分で確かめてください。当サイトは税務に関する助言を行うものではありません。

よくある質問

話し相手の仕事を始めるのに、資格や許可は要りますか。
要りません。電話で話を聴く仕事に許認可はなく、資格も条件になっていません。始めるだけなら手続きはゼロです。
自分で開業するのと、事業者に所属するのはどちらがいいですか。
ココナラなどを利用すれば、出品すれば売れる状態にはなります。ただし、選ばれる必要があります。事業者への所属は、集客をしなくて済むかわりに、手数料を徴収されます。
副業でやる場合、確定申告は必要ですか。
会社勤めをしながらなら、給与以外の所得が年20万円を超えると所得税の申告が要るとされています。売上ではなく経費を引いたあとの所得で見ます。所得税の申告が要らない場合でも住民税の申告が別に必要になることがあります。基準も扱いも変わるので、国税庁の「No.1900給与所得者で確定申告が必要な人」か税務署と市区町村で必ず確かめてください。
開業届は出した方がいいですか。
継続して事業として行うなら税務署に出します。無料で書類1枚です。青色申告を選ぶ場合は別の届出も要ります。
避けた方がいい募集はありますか。
登録料や研修費を求めるもの、資格取得を勧めるもの、性的な会話を担うものの三つです。まっとうな事業者は働く側からお金を取りません。
報酬は何を見ればいいですか。
時給ではなく、お客さまが払った額のうち何割が自分に渡るかで見ます。この割合を公表している事業者はほとんどないので、応募する前に必ず確認しましょう。
開業届はいつまでに出せばいいですか。
継続して事業として行うなら、開業届を納税地の税務署へ出します。期限は、事業を始めた年の分の確定申告の期限までです(国税庁、2026年4月1日現在)。e-Taxのほか、紙で持って行くか郵送もできます。青色申告にしたい場合は、青色申告承認申請書に別の期限があります。
自分のサイトで売るとき、住所や電話番号を載せないといけませんか。
載せます。自分のサイトで申し込みを受けて売ると通信販売にあたり、氏名・住所・電話番号を広告に表示する決まりがあります。許可や届出の手続きではなく、表示の決まりです。請求があれば申し込みの前に間に合うように知らせると広告に書き、その用意をしていれば、一部を省けます(消費者庁の案内)。
愚痴聞き屋の料金は、いくらにすればいいですか。
相場に合わせるなら、電話の話し相手の事業者で中心の、10分300〜400円が目安です。ココナラの「話し相手・愚痴聞き相談」は、1分100円から500円の幅で並んでいます(2026年9月時点)。下限に合わせると選ばれやすくなりますが、手数料が引かれたあとに残る額は小さくなります。

このページで確かめた公的な資料

監修井上恵(話し相手ネット 運営責任者)

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