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働く人へ読みもの・約13分 /

愚痴聞きの仕事とは中身とお金の実際

「愚痴聞き」で仕事を探すと、始め方の記事はたくさん出てきます。ただ、実際に何をする仕事で、何が収入を分けるのかを書いた記事は多くありません。愚痴聞きサービスを展開する立場として、実務を具体的に整理しました。

  • 電話で、話を最後まで聴く
  • 助言も、解決もしない
  • 資格・経験は不要
  • 収入は、通話した時間で決まる

先に答えだけ

  • 愚痴聞きの仕事は、電話で相手の話を最後まで聴く仕事です。助言も解決もしません。
  • 働き方は二通り。自分でお客さまを得る形と、事業者に所属する形です。資格は要りません。
  • 収入は通話した時間で決まる「歩合給」です。固定給・基本給はありません。

愚痴聞きの仕事は、何をする仕事か

電話がかかってきて、相手の話を最後まで聴く。それだけの仕事です。求人や出品では「愚痴聞き」「話し相手」「傾聴スタッフ」「お悩み相談」と、いくつかの名前で出ています。名前は違っても、中身はほとんど変わりません。

愚痴を聞いてもらえるサービスを探している方は、愚痴聞きサービスの選び方をご覧ください。

やらないことの方が、はっきりしています。助言をしません。説得もしません。相手の話を片づけにいきません。答えを出すことを求められていないので、正しいことを言う必要もありません。

これは、この仕事を簡単に見せるための説明ではありません。逆です。言いたくなることを言わないでいる方が、実際にはずっと難しい。話を聞いていると、つい「こうしたらいいのに」と口が出ます。それを飲み込み続けるところが、この仕事の中身です。

  • やること

    電話を受ける、またはこちらからかけて、お話を伺います。今日あったことの報告で終わる日もあれば、同じ愚痴を三度聞く日もあります。

  • やらないこと

    助言、説得、取り次ぎ、記録などは行いません。医療や法律、問題解決など、専門的なご相談は引き受けません。

  • 要るもの

    業務用の専用電話(スマホ・かけ放題プラン)と、周囲の音が入らない静かな場所。傾聴サービス業界では、事業者が専用アプリを用意し、アプリで会話する方式もありますが、音声の問題もあり主流はスマホを用いた会話となっています。

電話と、周囲の音が入らない静かな場所。要るものは、それだけです。

働き方は、大きく二通り

どちらを選ぶかで、やることの中身より先に、お金の入り方が変わります。

自分でお客さまを得る

ココナラのような場に「話を聞きます」と出して、選ばれるのを待ちます。値段は自分で決められます。ココナラの「話し相手・愚痴聞き相談」には74,703件の出品があります。値段は1分100円から500円の幅で並んでいます(2026年9月時点)。集客も、値付けも、自分の仕事になります。

事業者に所属する形

傾聴サービス事業者がお客さまを集めて、スタッフに電話をつなぎます。話し相手ネットも事業者の一つです。集客を事業者任せにできるのが最大のメリットです。デメリットは、集客などマーケティング手数料を事業者に徴収される点です。

求人サイトに「愚痴聞きバイト」として載っていることは、あまりありません。多くは事業者が自分のサイトで募集しているか、個人の出品です。時給いくら、という報酬体系ではなく、通話時間による完全歩合給です。ここが最初のつまずきどころだと思います。

探すときは、求人サイトではなく、傾聴サービス事業者のサイトの「求人」や「スタッフ募集」にて探すことになります。多くの場合、報酬率など詳しいことは明記されていませんが、話し相手ネットではスタッフ募集にて詳細を明記しています。

事業者に所属するときの、応募から始めるまで

所属する場合、応募のあとに面接や面談をする事業者が多く、事業者によっては研修を経てから電話を受け始めます。進め方は事業者ごとにかなり違うので、公開されている募集ページから三つの例を挙げます(2026年9月に確認)。

  • 面接と研修に時間をかける例一次面接・簡易テスト・練習・二次面接に続いて、実践練習を4回以上と利用研修を重ねてから受付を始めます。面接や練習はそれぞれ別の日で、1回に約90分以上かかります(癒しの時間)。
  • 採用のあとに研修がある例資格も講習料も要らず、採用のあとに研修を行います(ハナシタラ.COM)。
  • 面談から始める例応募のあとに事務所で面談をします。履歴書は要らず、18歳以上(高校生は不可)が条件です(ヒメサロ)。

受け付ける日数や時間、性別に条件を付けている事業者もあります。週3日以上・1日3時間以上が基本で、翌日の予定は前日の22時までに出す、という例があります(癒しの時間)。女性だけを募集している事業者もあります(癒しの時間・ヒメサロ)。

契約の形も事業者ごとに違います。ヒメサロは、募集ページで契約の形を「業務委託」としています。報酬は給与ではないので、税の申告が要るかどうかを自分で確かめます。副業の場合の目安は愚痴聞きの開業と始め方に書きました。

資格・経験は要りません。代わりに問われること

傾聴の資格も、カウンセラーの資格も、この仕事に必須ではありません。この記事を書くにあたって公開されている募集ページを見た範囲では、資格を条件にしている事業者はありませんでした。持っていれば歓迎される、という書き方は見られます。話し相手ネットも同様です。

「愚痴聞き 資格」で調べると、傾聴の民間資格がいくつも出てきます。独立開業を案内している記事では、取得費用を約3万円からとしています。ただし、資格を取ったから採用を優遇されたり、報酬が増えるといった見立てには懐疑的です。取ること自体は悪いことではありませんが、これらの資格はあくまでも「民間資格」であり、公が認定したものではなく権威もなく、資格ビジネスの色が強い、ということは知っておいてください。

代わりに問われるのは二つです。人の話を最後まで遮らずに聞けるか。自分の話にすり替えないか。どちらも資格試験では測れません。

逆に、資格より効くものがあります。受けられる時間帯です。深夜まで開いている事業者が多いのは、そこに依頼があるからです。夜に動ける人は、資格の有無に関わらず必要とされます。

電話で話を聴くときに、気をつけること

電話で話を聴くときに気をつけることは、四つあります。事業者の募集ページや求人の記事の説明をもとにまとめました。

  • 敬語で、自然に話すスタッフに求めることの一つに「敬語で自然に話せる」を挙げる事業者があります。友達のように楽しく話したいお客さまには、明るく応じます(癒しの時間)。
  • ほかのことをしながら話さない在宅で受けるときも、テレビを見ながら、何かを食べながら電話に出ることは避けます(アルバイトEX-Press)。
  • 自分の感情を落ち着けておく相手がいら立っていても、こちらまで感情的にならないことです。この仕事でとくに大切なのは、自分の感情をコントロールすることだと説明する事業者もあります(癒しの時間)。
  • 話せる時間の限りを先に伝える通話の長さは、10分ほどから2〜3時間までさまざまです(癒しの時間)。受けられる時間に限りがあるときは、はじめに伝えておきます。

この四つのほかに、聞いた話を外に漏らさないことも、この仕事の決まりです。話した内容が外部へ漏れることはないと、お客さま向けに書いている事業者もあります(ハナシタラ.COM)。

聞き方そのものの基本は傾聴とはにまとめました。

愚痴聞きの仕事で、聞くことが多い話

聞くことがいちばん多いのは、仕事・職場の愚痴です。求人サイト「在宅ワークを探そう!」の調査(2025年11月)で、30人中22人が挙げました(複数回答)。答えたのは、ココナラで愚痴聞きをしたことがある人です。

次に多かったのは、家族の愚痴と、恋愛・結婚の話で、どちらも13人です。寂しさ・孤独と友人関係が6人ずつ、ご近所・ママ友が2人でした。

30人のうち、電話だけで受けている人は6人です。チャットだけの人が13人、電話とチャットの両方の人が10人、その他が1人でした。電話の仕事だけの数字ではありません。

愚痴や悩みだけでもありません。自慢話や楽しい会話、何気ない世間話も多くあります。毎日のようにかけてくる人も、半年や1年ぶりにかけてくる人もいます(癒しの時間)。

困ったお客さまと、身を守るための決まり

困ったお客さまからの電話は、実際にあります。同じ調査で、嫌な体験をしたことがあると答えた人は、30人中12人でした。挙がった例は、深夜に長時間の通話を求められた、何度も連絡が来た、個人の連絡先を聞かれた、などです。愚痴から性的な話題へ誘導された、攻撃的な態度を取られた、という声もありました(在宅ワークを探そう!)。

こうした使い方を、利用の決まりで断っている事業者があります。たとえば、性的な話や、泥酔しての利用、暴言は断られます。スタッフの個人的な連絡先を聞くことや、値引きを求めることも同じです(ハナシタラ.COM)。威圧的な話し方をされたら、すぐに電話を切る事業者もあります(癒しの時間)。

自分で出品する場合は、この決まりを自分で作ります。調査では、受けられる時間と、断ることをプロフィールに書いておくことを、対策に挙げた人が多くいました。所属する場合は、断る決まりがあるか、困ったときに相談できる人がいるかを確かめてください。

命にかかわる話を打ち明けられたときに案内する無料の窓口は、悩み相談ができる無料の電話窓口の一覧にまとめています。

お年寄りの話し相手も、同じ仕事のうち

「お年寄りの話し相手の仕事」「高齢者の話し相手の求人」を探して、ここにたどり着く方が多くいます。電話で話を聴くという点では、同じ仕事です。ただし、形が二つに分かれます。

ひとつは電話です。離れて暮らす家族が、親のために申し込む形が多くあります。週に一度かけて、通話のあとに家族へ報告が届くものが一般的です。この場合、話す相手は毎回同じ人になります。

もうひとつは訪問です。家に上がって話し相手になる形で、こちらは介護の枠に入ります。ここで知っておくべきことがひとつあります。ほとんどの介護サービスでは「話し相手だけ」を受け付けてはいません。訪問介護は身体介護・生活援助・通院の介助に分かれていて、会話そのものを目的にした利用は認められていないからです。だから訪問の話し相手は、自費のサービスとして提供されています。

つまり、訪問の側で働く場合は介護の事業者に所属することになり、資格が問われる場面が出てきます。電話の側なら、資格は問われません。同じ「お年寄りの話し相手」でも、入口が違います。

愚痴聞きの仕事の報酬は、どう示されるか

報酬は、お客さまが払った額の一定の割合か、手数料を引いたあとの額か、通話60分あたりの額で示されます。公開されている例を並べます(2026年9月に確認)。

  • 通話60分あたりの額で示す例ヒメサロの募集ページは、通話の報酬を「60分1,750円以上」とし、これに指名手当を加えています。
  • ココナラの電話相談値段は出品者が決め、ココナラの取り分を引いた額が報酬になります。手元に残る額はココナラの愚痴聞きで稼げるのかに書きました。
  • 話し相手ネットお客さまが払った額の60%です。基本料金は10分400円です。

事業者に所属した場合の取り分は、お客さまが払う代金の5〜6割が目安だとする記事もあります(心理カウンセラーの種)。割合を公開していない事業者も多くあります。

ココナラで愚痴聞きをした30人の調査では、初めて収入を得るまでの期間は、25人が1か月以内でした(在宅ワークを探そう!)。

待っている時間は、収入になりません

「いつでも電話を受けられます」と2時間3時間と待っていても、かかってこなければ収入はありません。通話した時間だけが収入になります。時給という考え方が成り立ちません。

話を聞くのが好きであることと、聞き続けられることは、別のことです。

しかも、需要の時間が偏ります。この業界の各社が公開している受付時間は、深夜まで伸びています。朝7時から翌3時、9時から翌3時、24時間。閉店時刻を夜中の3時に置いている窓口は、その時間に人が来るからそうしています。日中しか対応できないなど、受付時間が短くなれば、収入はその分だけ少なくなります。

収入を分けるものは、並べてみると三つでした。一つ、夜に動けるかどうか。ここがいちばん大きい。二つ、リピート指名されるかどうか。単発で終わると伸びません。ココナラには評価が8,000件を超える出品者もいます。件数は選ばれ続けたことを映しますが、そのうち何割がリピーターかは公開されていません。三つ、何が得意か書いてあるかどうか。「なんでも聞きます」より「旦那の愚痴聞きが得意」「○○など趣味の話」「占いが得意」の方が選ばれます。絞った方が、選ぶ側は決めやすい。

  1. 夜に動けるか
  2. リピート指名されるか
  3. 何が得意か、書いてあるか

向いているかどうかの、見分け方

やってみないと分からない、というのが正直なところです。ただ、始める前に自分で確かめられることが、いくつかあります。

  • 黙っていられるか

    相手が言葉を探して黙ったとき、その沈黙を埋めずに待てるかどうか。埋めたくなるのが普通です。待てるなら向いています。

  • 同じ話に付き合えるか

    同じ愚痴を、三度目も一度目と同じ顔で聞けるか。相手が求めているのは解決ではないので、進まないことがこの仕事では正常です。

  • 持ち帰らずにいられるか

    人の話を長く聞いていると、こちらの側に残るものがあります。一人で抱え込む形になっていないか、気持ちの切り替えが得意かは、あなたのメンタルヘルスにとって大切です。

気をつけた方がいいことも、ひとつ書いておきます。「メールするだけで高収入」のような募集は、これとは別のものです。プラットフォームの外での個人取引、前払いを求めるもの、登録料がかかるもの。この三つは避けてください。まっとうな窓口は、働く側からお金を取りません。

話し相手ネットでも、電話で話を聴くスタッフを集めています。仕事の中身と条件はスタッフ募集に、自分で開業する場合の実態はココナラの愚痴聞きで稼げるのかに、実額で並べてあります。

この読みものは、答えを出すためのものではありません

ここに書いてあるのは、選ぶときの見どころだけです。どれが正しいかを決めるものではありませんし、医療や法律の助言でもありません。

この情報は2026年9月時点のものです。ココナラの出品数は2026年9月23日に、価格の幅は2026年9月13日に、同サイトのカテゴリページで確認しました。各社の受付時間は2026年9月13日に、それぞれの公式ページで確認しました。条件は変わります。応募する前に、その事業者やプラットフォームの条件をご自分で確かめてください。

よくある質問

愚痴聞きの仕事に資格は要りますか。
要りません。傾聴の資格もカウンセラーの資格も、条件にしている事業者はほとんどありません。代わりに問われるのは、助言をしないでいられるかどうかです。
愚痴聞きの仕事は、どこで募集していますか。
求人サイトに「愚痴聞き」という職種で出ていることは、あまりありません。多くは事業者が自分のサイトで募集しているか、個人がプラットフォームに出品する形です。
未経験でもできますか。
経験を条件にしている事業者はほとんど見あたりません。ただし、話を聞くのが好きであることと、聞き続けられることは別です。
お年寄りの話し相手の仕事も、同じものですか。
電話で話を聴くところは同じです。ただし訪問して話し相手をする形は介護の枠に入り、ほとんどの介護サービスでは「話し相手だけ」を受け付けてはいません。自費のサービスとして提供されています。
いくらくらいになりますか。
通話した時間だけが収入になり、待っている時間は収入になりません。時給という形にならないため、月にいくらという言い方が成り立ちにくい仕事です。稼げるかどうかは、夜に動けることを含め、受付時間と、リピート指名されるかで決まります。
何を用意すればいいですか。
お仕事用の専用電話(スマホ・かけ放題プラン)と、周囲の音が入らない静かな場所です。
愚痴聞きの仕事では、どんな話を聞くことが多いですか。
いちばん多いのは、仕事・職場の愚痴です(在宅ワークを探そう!、2025年11月の調査)。ココナラで愚痴聞きをした30人のうち22人が挙げ、家族と恋愛・結婚の話が13人ずつで続きました。世間話や自慢話を聞くこともあります。
困ったお客さまからの電話はありますか。
あります。ココナラで愚痴聞きをした30人への調査では、12人が嫌な体験をしたと答えました(在宅ワークを探そう!、2025年11月)。深夜の長電話や性的な話題への誘導、個人の連絡先を聞かれることなどです。受けられる時間と断ることを先に決めておき、所属する場合は断る決まりがあるかを確かめてください。
ただ話を聞くだけの仕事はありますか。
あります。愚痴聞きや話し相手の仕事は、電話で相手の話を最後まで聴く仕事で、助言も説得もしません。求人や出品では「愚痴聞き」「話し相手」「傾聴スタッフ」「お悩み相談」などの名前で出ています。
愚痴を聞く副業は、どうやって始めればいいですか。
始め方は、ココナラのような場に出品する形と、事業者の「スタッフ募集」に応募して所属する形の二通りです。出品なら集客と値付けも自分の仕事になり、所属なら集客を事業者に任せられます。副業の税の申告の目安は「愚痴聞きの開業と始め方」にまとめています。
愚痴聞きのバイトは、在宅でできますか。
在宅が基本です。ココナラの電話相談は自分の携帯電話やアプリで話せ、話し相手ネットの仕事も在宅です。用意するのは、業務用のスマホ(かけ放題プラン)と、周囲の音が入らない静かな場所です。
愚痴聞きの仕事は、チャットでもできますか。
できます。ココナラでは、電話のほかにメッセージやチャットの相談でも出品できます。ただし、話し相手ネットは電話での対応のみです。
愚痴聞きのバイトは、怪しくないですか。
話を聴く仕事そのものは、事業者の募集やココナラへの出品として実際にあります。ただ、「メールするだけで高収入」のような募集は別のものです。プラットフォームの外での個人取引、前払いを求めるもの、登録料がかかるものは避けてください。

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監修井上恵(話し相手ネット 運営責任者)

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